虎谷生央 公式サイト

SPO₂が正常でも“酸素不足”になる理由

@toratani_kokyu

@toratani_kokyu

監修・取材・ご相談はお気軽にご連絡ください。

監修・取材・ご相談は
気軽にご連絡下さい

数値は正常。でも体は酸欠?

健康意識の高い方の中には、睡眠時の酸素飽和度(SPO₂)を測るパルスオキシメーターを使っている方も多いと思います。

・SPO₂が95〜98%あるから安心
・無呼吸の回数も多くない
・医師からも「異常なし」と言われた

それでも、「朝からだるい」「眠った気がしない」「疲労感が取れない」
そんな症状を感じている方は少なくありません。

その原因は、「呼吸の“深さ”」にあるかもしれません。

酸素が“届いていない”という落とし穴

SPO₂というのは、血液中のヘモグロビンがどれだけ酸素と結びついているかを示す指標です。
つまり、「酸素を運んでいる量」の話です。

ところが、

実は“運ばれた酸素”が、細胞に届いていなければ意味がないのです。

この酸素の受け渡しは、二酸化炭素の濃度や血流、呼吸の深さによって左右されます。

「ボーア効果」と“浅い呼吸”

生理学の基本法則のひとつに「ボーア効果」という現象があります。
簡単にいうと——

・呼吸が浅いと、体内の二酸化炭素が不足する
・二酸化炭素が不足すると、ヘモグロビンが酸素を放出しにくくなる
・結果、SPO₂が高くても細胞には酸素が届かない

という状態に陥るのです。

つまり、「呼吸の浅い人」はSPO₂が正常でも“慢性的な細胞酸欠”の状態にある可能性があります。

眠っている間こそ、深い呼吸が必要

特に睡眠中は、意識的に深呼吸をすることができません。
無意識に“浅いまま”の呼吸が続くと、代謝が下がり、免疫力も落ち、老化も加速します。

だから私は「眠っている間に深い呼吸ができる環境」を設計したのです。
寝具の設計次第で、横隔膜の動きを妨げず、胸郭を開放し、深い呼吸が可能になります。

「数値では見えない“呼吸の質”」に目を向けよう

SPO₂が正常でも、「朝がつらい」「夜が浅い」「疲れが抜けない」
そんな方は、ぜひ一度「呼吸の質」に目を向けてみてください。